働くママが日々思う事とかまとめちゃいました!

アラサー 病院薬剤師として働き 2歳児のママでもある『MIKI』が日々思う事感じた事など疑問や感想を徹底的にまとめちゃいますヽ(´▽`)/少しでも読んでくださる皆様のお役に立てれば幸いです!始めたばかりですが、頑張っていきます☆

【新しい便秘薬】モビコール配合内容剤でおなかが痛くならずに便秘解消!?

 慢性便秘治療薬

慢性便秘症の治療薬として、2018年11月に薬価収載された「EAファーマ株式会社」の新しい便秘薬。
『モビコール配合内容剤』
 

 

一般的に便秘薬といえば、OTC医薬品なら「コーラック」や「イチジク浣腸」、医療用医薬品なら「センノシド」などなど、大腸を動かすように働く【刺激性下剤】がしられています。一度服用された方はご存知と思いますが、この刺激性下剤は大腸を無理やり動かすことにより排便させるため、おなかが痛むなどに痛みを伴うことが多い薬です。
 
 
一方、この痛みが嫌で便秘薬を飲めない人やまだ幼い子供でも飲めるようにと開発された(?)のが、水分を大腸にとどまらせて、スムーズに排便できるようにする【浸透圧下剤】です。
浸透圧下剤には、有名なもので酸化マグネシウムがあります。小児でも服用されていますが、腎機能の低下した高齢者などでは、Mg(マグネシウム)が血液中に溜まることで高Mg血症という副作用がでてしまことがあります。
また、便秘は、意外にも幼児に多く、小児科の医師たちは選べる医薬品の少なさに頭を悩ませていました。
 
 

 

そこで、EAファーマが開発・販売しました。『モビコール配合内容剤』。
この薬について医薬品情報をまとめましたので、便秘に悩んでいる皆さまにお役立ていただけたらと思います。
 
では、まず医薬品情報から、(淡々と記載していますのでご了承ください)
医薬品情報の読み方などはこちらを確認下さい。

pharmacist-mama.hatenablog.com

 

 

モビコールの医薬品情報

<禁忌>
 過敏性の既往歴(これはどの薬にもある禁忌です)
 腸閉塞、腸管穿孔、重症の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎クローン病・中毒性巨大結腸症など)が確認されているor疑いがある
 
<組成>
成分
1包中(g)
マクロゴール4000
6.5625
塩化ナトリウム
0.1754
炭酸水素ナトリウム
0.0893
0.0251
 
<効能効果>
 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
 
<用法用量>
 ※服用のタイミングはいつでもOK
 → 食事の前後が水分を飲むにはいいか??
  1日用量を複数回に分けて服用してもOK

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 ※お茶はあまり美味しくない。
  パイナップルジュース100% → ○
  黒酢 → △
  MRおすすめは乳酸菌飲料
  味噌汁がいいという患者もいたとのこと
 
 ⇒しかし、電解質の比率が崩れるため、透析患者には水かお茶での服用が推奨される。

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<作用機序>

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 体内の水分に影響がない
 
<備考>
 2週間で自然排便目標に到達できる。
 通常の便秘の人で2~3包/日程度が常用量となる。
 
 多剤との相互作用 なし
 他便秘薬との併用 おそらく問題なし
 
 薬が保持する水分のMAXが1包あたり60mL
 
 溶かさずに服用した場合→浸透圧の関係で体内から水分を引き込む恐れがある。
 実際に検討は行っていない
 溶かしてからの安定性→1週間後まで力価に影響はなかった。
 
 欧米諸国のガイドラインでは、小児および成人の便秘症に対してポリエチレングリコール製剤を用いることが推奨されている。第1選択薬としての使用が推奨されているガイドラインもある。
 

モビコールの開発経緯

 MOVICOL ※は、オランダのNorgine B.V.(Norgine社)により開発されたポリエチレングリコールを主成分とした製剤です。英国にて成人(12歳以上)の慢性便秘症および便塞栓症の適応として1995年12月に、小児(2歳~11歳)の慢性便秘症および小児(5歳~11歳)の便塞栓の適応として2002年10月に承認され、2016年2月現在では欧州を中心に37ヵ国で承認されています。

本邦において、 MOVICOL が慢性便秘症に対して未承認のため使用できない現状に鑑み、日本小児栄養消化器肝臓学会より、小児の慢性便秘症に対する開発要望が「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に提出されました。その結果、2015年4月に開催された同会議にて「医療上の必要性が高い医薬品」として評価され、2015年5月に厚生労働省より味の素製薬株式会社(現、EAファーマ株式会社)に開発要請がなされました。
以上の経緯を踏まえ、EAファーマ株式会社は本邦において小児および成人の慢性便秘症を適応としてモビコール®配合内用剤※(以下、モビコール®)の開発を開始し、持田製薬株式会社との共同開発を経て、2018年9月に慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)の治療薬として、製造販売承認を取得しました。

NICE: National Institute for Health and Care Excellence
WGO: World Gastroenterology Organisation
AGA: American Gastroenterological Association
※ 海外で発売されている MOVICOL の主成分であるポリエチレングリコール3350は日本の公定書での規格がないため、日本薬局方にあわせてマクロゴール4000に変更していますが、有効成分は同等です。

「モビコール」及び MOVICOL はNorgineグループの登録商標です。(なお、 MOVICOL は、海外の製品を表しています)

 

1) Hammer HF, et al. : J Clin Invest 1989; 84(4):1056-1062
2) National Institute for Health and Care Excellence:Constipation in children and young people:diagnosis and management 2010, p.17-22
3) Tabbers MM, et al. : J Pediatr Gastroenterol Nutr 2014; 58(2):258-274
4) Lindberg G, et al. : J Clin Gastroenterol 2011; 45(6):483-487
5) Bharucha AE, et al. : Gastroenterology 2013; 144(1):211- 217
6) 日本小児栄養消化器肝臓学会, 日本小児消化管機能研究会 編:小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン2013, p.55,60
7) 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会 編:慢性便秘症診療ガイドライン 2017,p.42,66-68

 

 

 

以上、慢性便秘症の新しい治療薬、モビコール配合内容剤の説明でした。
次回、どうやって服用するのが美味しく苦痛なく飲めるのか、
私自身が飲んでみて試しましたので、紹介したいと思います。
 
※この医薬品は医療用医薬品です。医療機関の診察の上、処方箋でもらえるお薬です。ご注意ください。